木の駅プロジェクト「軽トラとチェンソーで晩酌を」

宿泊研修施設である木魂館には、博士の湯という温泉施設がある。この温泉の源泉は、約36℃であり、温泉としてはぬるく、重油で加温していた。地域の温泉銭湯として住民も年間を通して利用しているため、寒さが厳しい小国町の冬は重油代もかさむ。温泉施設としての運営は、芳しいものではなかった。

小国町は2014年3月に環境モデル都市に選定され、環境についての取り組みがこれまでより動いていく中、同年6月小国町木の駅プロジェクト推進協議会が設立された。そして2015年3月には木の駅プロジェクトが稼働し始めた。

小国杉というブランド杉があるほど小国町は、林業の町であり、町の面積の約80%は森林である。杉の生育や管理のため間伐が行われており、出荷できない杉などは、山林に林地残材として放置されている。林地残材も資源として活用するべく木の駅プロジェクトがきっかけとなり学びやの里に集められ、山林は綺麗になる。

学びやの里に集められた林地残材は、量に応じて地域通貨の「モリ券」と交換される。モリ券は、町内の加盟店で使用することができる。「軽トラとチェンソーで晩酌」出来るのである。

学びやの里に集められた林地残材は、自然乾燥され博士の湯のバイオマスボイラーの燃料として使われる。(2016年3月より稼働)重油から林地残材にシフトしCO2および経費削減、雇用の創出、山林の整備、町内の経済循環・・・と木の駅プロジェクトの目的をクリアしている。

地域住民(出荷者)のフロー

初年度(2014年度)の出荷者12名入荷量23tが2022年度では出荷者18名入荷量197tとなっており、毎年度でみると出荷者は18名前後、入荷量は200t前後で推移している。

林地残材を集める
学びやの里に出荷
学びやの里がモリ券を支払う
加盟店でモリ券を使う「軽トラとチェンソーで晩酌を」

学びやの里のフロー

バイオマスボイラー導入前は、重油代が年間500万円以上かかっていたものが1/5になり、薪代と合わせても約300万円と約40%の経費削減ができている。

整えて乾燥させる
バイオマスボイラーの燃料
温泉を温める
温泉

一般財団法人 学びやの里

一般財団法人 学びやの里は、小国町北里にあり、世界的細菌学者 北里柴三郎博士の生誕の地にある。北里博士が提唱し、実践した「学習と交流」の精神に則り、「学びやの里構想」を掲げ、1988年に研修宿泊施設「木魂館」その後、食と健康の交流館「北里バラン」が作られた。

木魂館においては、九州ツーリズム大学(現在休止中)やスポーツや勉強合宿、自然学校などの「人づくり」「学習と交流」の場として活用されている